こんにちは。女性の海外ライフスタイル研究所 代表まつなおです。
私たちはアメリカで、これまで約25年にわたって、海外に住みたい女性たちをサポートしています。
「海外に住んでみたい」と思っている方はもちろん、そうでなくてもアメリカの人のフレンドリーさやオープンな空気に、心惹かれたことがある方もいるのではないでしょうか。
アメリカでは、“ちょっとした会話”が日常のあらゆる場面に息づいています。「Hi!」と声をかけ合い、思ったことを素直に伝える文化の背景には、互いを尊重し、信頼を築こうとする考え方があります。
今回の記事では、アメリカのフレンドリーな会話文化から、信頼を深めるコミュニケーションのあり方をご紹介します。新しい視点で「海外っていいかも」「アメリカっていいかも」と思えるきっかけになれば嬉しいです。
フレンドリーな声かけが生む信頼のきっかけ
アメリカでは、見知らぬ人に話しかけることも「安全」や「友好」のサインとして日常的に行われています。
たとえば、街を歩いていると「Hi!」と声をかけられることがあります。カフェやレストランでは「この料理すごくおいしかったよ」とスタッフに話しかけることも珍しくありません。知らない人同士でも自然に会話が生まれるのが、アメリカの日常です。
私がアメリカの知人に聞いた話では、声をかけることは「自分はあなたに敵意がありません」と伝えるための行動の1つだそうです。日本でも、あいさつは相手の警戒心を和らげ、安心感を与える大切なものですよね。ただ、アメリカではその範囲がもっと広く、知人や友人に限らず、街ですれ違う人やお店のスタッフにも気軽に言葉を交わします。
その背景には、多様な人種や文化が共存する社会のなかで、「誰に対してもオープンでフレンドリーであること」が平和に共存するための大切な姿勢だという考え方があります。
外見や立場に関係なく声をかけ合う小さな気遣いの積み重ねが、アメリカでは「互いを尊重し、信頼し合う社会」を築く第1歩になっているのです。
こんなふうに自然に声をかけ合える社会、ちょっと憧れませんか?
話すことで信頼を築く、アメリカのディスカッション文化
異なる相手と分かり合うために大切なのは、やはり言葉を交わすことです。
とくに、多様な文化や価値観が入り混じるアメリカでは、相手と意見を交わし、考えを伝え合う「ディスカッション」がとても重視されています。
この姿勢は、学校教育の段階から培われています。高校や大学の授業では、異なる意見を持つ人の立場に立って話したり、相手の意見を受け止めた上で自分の考えを根拠とともに伝えたりする訓練がおこなわれています。
たとえば、「英語のように言葉で伝える文化と、日本語のように空気を読んで言葉を理解する文化、どちらの方が信頼関係を築きやすい?」といったテーマで、あえて自分とは反対の立場から意見を述べることもあります。そうした演習を通して、「違う考え方があって当然」「反対意見は相手を理解するためのもの」という価値観が自然に身につくのです。
このようにアメリカでは、「意見を交わすこと」そのものが日常のコミュニケーションとして根付いています。話し合いを通じて互いを理解しようとする姿勢が、信頼関係を深める土台になっているのです。
こんなオープンな対話のある日常、少し体験してみたくなりますよね。
相手を理解するための「伝え方」と「確認の積み重ね」
アメリカでは、率直に意見を伝えることが大切にされていますが、同時に「確認する」姿勢も信頼を築くうえで欠かせません。伝えることが大切とされる一方で、積極的な言葉が相手を傷つけてしまうこともあります。そんなときこそ、「どんな言葉が相手を不快にしたのか」をきちんと確認し合うことが大切です。
私自身、アメリカで暮らすようになってからこの考え方を実感しました。
会話の中で何かすれ違いがあったとき、アメリカ人の夫は「あなたのこの言葉に傷ついた」と率直に伝えてくれます。私が悪かったときは素直に「ごめん、そんなつもりじゃなかった」と謝り、「私はこう思ったからこう伝えたの。うまく伝わっていなかっただけだね」と冷静に話し合うこともあります。
「ここは伝わっていたけれど、ここは伝わっていなかった」と確認しながら対話を重ねることで、ケンカをほとんどせずに過ごしています。アメリカでは、こうした「確認の積み重ね」が信頼を深めるプロセスとして大切にされているのです。
文化の違いに触れると、「自分と相手の考えは違う」という当たり前のことを改めて感じます。 その違いをおそれず、「私はこう思うけれど、あなたはどう思う?」と問いかけるという、小さな対話の積み重ねが、国や言葉の壁を越えて信頼を育てていくのです。
まとめ
アメリカの会話文化には、オープンに言葉を交わすことで「敵意がないことを伝える」という背景があります。それは単なるフレンドリーさではなく、異なる人々が共存する社会の中で、互いを尊重して生きるための知恵でもあります。
声をかけ、意見を交わし、そして確認を重ねていくことが、信頼を育む小さな習慣なのです。
ぜひアメリカに来て、このコミュニケーション文化を体験してみてください。会話を重ねるうちに、きっとあなたの視野が広がり、日常の人間関係にも新しい風が吹くはずです。
アメリカのコミュニケーション文化に関するご質問があれば、いつでもお待ちしています。
(取材・執筆協力:古川雪奈)
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